冒険日誌 なみのまにえら

ドラクエ10 のプレイ日記を載せて行きます。冒険日誌は画像が消えてしまうので、こちらに残す形です。【このブログのドラクエの画像は原則スクエアエニックスさんに著作権がありますので、無断転載等しないようにお願い致します】(C)2017 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.(C)SUGIYAMA KOBO(P)SUGIYAMA KOBO

狂戦士編 4th ザ・ラストクルセイド (The Last Crusade)

【戦士クエネタバレ有】

二度と喧嘩なんかふっかけるんじゃねえぞ!

酒場の用心棒に地面に叩きつけられ、したたかに体を打ち付けた。そのまま天を仰ぐ。
しとしと降り始めた雨が、殴られて熱を持っていた体を冷やしていく

軋む体を起こす。体に似つかわしくない大鉈を背負うと、わたしはふらふら歩き始めた

 

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前回の試練のあと、わたしは荒れに荒れていた。
人と会うのが怖くなった。一人でいるのが怖くなった。
そうして町をうろついては、人間に、素手で殴りかかる。

寂しいも不安も誰かと話したいも鉈で叩き潰したいも。全部ぐちゃぐちゃにかき混ぜられてわたしの背中にべったりと張り付いた、闇。

昼夜を問わず何度も思い出す、あの体験。

あんなに簡単に殺せてしまう恐怖と

簡単に殺されるかもしれない恐怖。


わたしはやり場のない感情を抱え、人目を避けて暗がりにいることを好むようになった。


そんな様子を暗闇からうかがう影。


ひっひっひっ………

もうひとつの戦士の末路を知っても、まだ戦士として修行を積んでいらっしゃったとは。

(違…う)

言葉が言葉として、出てこない

囁くような調子で暗闇から影は話を続ける。

ついにわたくしめの真の願いを託す日が来たようでございますな……

影は告げる。狂戦士レギオンは実在すると。今も生きて、殺戮を繰り返している。
影の願いは狂戦士を闇に還す事。


オルセコ高地オゾの洞穴ーー


老人の指定した場所に、赴いた。
奴もわたしと同じ苦しみを抱えているのではないか

そんな甘い期待を持って、固く閉ざされた扉を開く


一歩踏み出した瞬間に、甘い期待はかき消えた。
張り詰めた空気。寒気に似た嫌な感覚、殺気。


そこにいるやつは人間じゃなかった。


洞窟に反響する金属音。何者かが高速で動き回っている。
心臓の鼓動が早くなる。

来る。

恐怖が、やってくる。


目の前に、大きな何かが現れた。圧倒的な殺気を放ってこちらを威圧してくる。
それはいつか見た、黒い獣。殺意に形を与えたもの。

 

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武器を構える隙も与えず、狂戦士レギオンは剣を振り回した。
辛うじて避けたわたしの皮膚が鋭い何かで裂かれる!避けたはずなのに…!

狂戦士の研ぎ澄まされた剣筋はその風圧ですら標的を裂くほどの鋭さを纏っていた。

殺される……っ!

紙にインクを垂らすように、じわりじわりとわたしの心を染めていく、恐怖。
それはあっという間にわたしを塗り潰し……

死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない頭の中を恐怖でいっぱいにしてわたしは逃げ回った

だが、無限にも思えるパニックの中、だんだんと一方的に追われることに、別の感情が湧いて来る事に気づいた。その気持ちの正体にハッとさせられると、感情が一気に爆発した。


殺されてたまるかこの(世にもおぞましく汚い罵声)がぁーーーーッ!!!


わたしの中で何かが音を立てて千切れた。

体が傷つくのも構わず、渾身の力で相手に大鉈を叩き込む。

それは剣を砕き、腕を裂き、肩から体の中心へ向かって食い込んだ。斬撃というより、純粋な破壊の衝撃。狂戦士レギオンを、破壊した。

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大量の返り血を浴びてわたしは茫然としていた。だが、このところわたしの心を支配していた「恐怖」の押さえつけ方がよくわかった。


より強い感情で、恐怖を塗り潰す


鉈を引き抜く掌に力が入る。息をつき、全身に血流が廻る。追体験ではない、この勝利は……。たっぷりと肺に空気を吸い込んで、勝利の雄叫びをあげた。

 


老人の甲高い笑い声が響いた気がした。


あなたさまの目を通してレギオンの最期を見届けさせていただきました。
無力なわたくしめに代わってレギオンを葬ってくださいましたこと、深く感謝いたしますぞ……

老人の目に、涙が滲んだように見えたが、なんだか空々しく、わたしには映った。

ギオンがいなくなったところでわたくしめの罪までもが消え去ったわけではございませぬ……

老人はこれからも欲望のままに力を振るったものの末路を説いて行くという


わたしの顔色はとてもよかった。頬は上気し、仄かに赤みを帯びるくらい。実は握りしめた拳が未だに解けずにいる。
そして、わたしの中により強い何かが生まれ、それを飼いならしているような優越感を感じていた。

そんなわたしに老人は最後の試練、それはわたしを知り尽くした、最も恐ろしい敵、と次の戦いを催促する。その目は不気味に爛々と輝いていた。

 

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返り血を浴びたわたしの鎧はその色を錆色に変え
首から下げた水晶はひびも確認できないくらいに、黒く濁っていた。

 

 

 

 

さぁ、最高の結末を、わたくしめに……

 

 

 

 

 

狂戦士の秘密が知りたい子は寄っといで……
ヒヒ、ヒ、ヒ、ヒヒ、ヒ……