葬式ムード!真のレンダーシアへ!
街に戻ると完全にお通夜ムード
何故か勇者姫(偽)の消滅を察したグランゼドーラ住人達(偽)は途方に暮れていた。
なんか、事情が全て理解出来ちゃってるみたい。
人間には集合意識ってのがあるって言うけど、もうちょっと雑めに複製されたこの世界はその辺がもっと繋がってるのかもね。
植物の意識は全てで繋がってるとか?なんかそんな話も聞いたけど。
それだと植物に一つ接続できるととんでもない量の情報が一気に流れ込んできて廃人になってしまうんでしょうね。海の中に水をひと雫混ぜると二度と雫として取り戻せないように。
なんて事を考えていたら寝ぼけてぶつけて血が出た額がめっちゃ痛くなりました。
見捨てたっていうか、わたしたちがぶっ殺したというか……
これだけの人間を絶望させられたら魔王冥利に尽きるんじゃないか?
と思ったけどその絶望も出来合いだと旨味が感じられないのかもしれないですね。
橋の上にいたイチャイチャカップルも浅薄な絶望にとらわれていて笑ってしまった。
うーん、本当の愛じゃないなんてよく言えるなー、深い愛ってなんなんでしょうね。
そして今わたしが拾っている馬の糞も作り物なのね……
作り物の馬の糞を肥料にして嬉々として混ぜていたなんて……
絶望的ってかぁ!カッカッカッ!
うーんちょっと意地悪みがあるなぁ。
しかし、メルサンディもセレドもアラハギーロも作り物と思うと……いや出来事に偽も本物もあるのだろうか。例えばわたしがボールを投げる。これは偽の世界のボールを投げたわけで、みんなは生きている価値はないんだ!って暴論じゃないか?
わたしは偽の世界の出身ではないから何を言っても虚しく響くのかもしれないが。
ミシュアともアンルシアとも認識されないアンルシアはどうなってるんだ?
お飾りだったという親衛隊。だが、アンルシアの記憶の中でもそうだったし、それは凹む次元が実は違うんだよなあ。
しっかしみんなヤケクソだな。
でも世の中に対しての自分の役割を失うって、辛いよね。もう取り戻せないような気もするよね。それでも死ねないから、テキトーな理由をつけて(真の)理由が見つかるまで、しのぐんだ。
なんて考えながら歩いていたらあっという間に待ち合わせの西の塔へ着いた。
お、ウロコのにいちゃんもやってきたな。
あ、すごい、完全に直ってる。
さぁ!真のレンダーシアへ!
なんかとんでもない経験値が振り込まれた気がする……