職業クエスト-悦びに咲く魔女
――それは夏。今日みたいにたくさん雷が落ちる大雨の日。 わたしは先生の家でいい香りのお茶を飲んでいました。
拝啓、いつまでも敬愛する先生。 女王蜂はいつか旅立つもの。先生は折に触れそうおっしゃっていましたね。 同じ巣に女王蜂は複数で住むことはできない、と。
いつも心に花園を 先生はそうおっしゃっていました。 好きな音楽、食事にあう食器、安物のお茶は飲まない。 いいものにはそれ相応の対価を。
拝啓 わたしに言葉を教えてくれた先生 華やぎを求めて街に出る、という事を教えてくれた先生。 いつか来る「その日」の為のこと以外は無駄と教えられて育ったわたしに、人間らしい心を教えてくれた先生。
拝啓 わたしに言葉を教えてくれた先生 久しくお顔を拝見しておりませんが、お変わりないでしょうか。 というより、わたしが生きていて、手紙をしたためていることに、驚かれているかもしれませんね。 拠所無き事情により、わたしは一命を取り留め、世界を旅…
拝啓 わたしに言葉を教えてくれた先生 久しくお顔を拝見しておりませんが、お変わりないでしょうか。というより、わたしが生きていて、手紙をしたためていることに、驚かれているかもしれませんね。