冒険日誌 なみのまにえら

ドラクエ10 のプレイ日記を載せて行きます。冒険日誌は画像が消えてしまうので、こちらに残す形です。【このブログのドラクエの画像は原則スクエアエニックスさんに著作権がありますので、無断転載等しないようにお願い致します】(C)2017 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.(C)SUGIYAMA KOBO(P)SUGIYAMA KOBO

Steam Heart-Scramble DISC 2 「IT'S SHOWTIME!!」【道具使いクエ】

いいぞ!ベストタイム更新だ!

 


きりもみ回転をしながら制動をかけ、鉄の鳥がこちらに飛んでくる。

 


風を切り、何よりも速く。高く。

鳥の姿に生まれたからにはそうあるのが、ダイゴミってもんだ。

見たことない、お前の姿を引き出してやる。

 


ダイナモワンと名付けた鉄の鳥はアタシの相棒になっていた。

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微調整をしに研究室へ訪れると、ドラクロアのオッサンがダイナモに手をかざしブツブツと言い始めた。

 


フム…お前の設計理論は面白いが、無駄が多い。無駄は無理につながるぞ。道具には最適の形がある。機能に対して無駄のない、洗練されたカタチこそどうぐにとっての美であると、ワガハイは思うがな。

 


目?を細めてアタシの鳥を見つめるオッサンはなにかを思い出すような、そんな表情をしたように見えた。

 


……まぁ、よい。道具を従えた今のお前ならば、ワガハイが直々に特訓をつけてやろう。そろそろ伝えなくてはならない事もある。

 


そう言ってオルセコ闘技場に来いとのたまって来た。傍の映写機には「起動武闘伝ゲキガンゴーレム」のフィルムが入っているようだ。

 


オッサンの趣味に付き合うのはなんだか嫌だが、伝えたい事、ってぇのが気になったから、出かけることにした。

しかし、この研究所入り口の大量にルーラストーンが並べてある二本の柱はなんだ?

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そう聞くとオッサンはムフムフ笑って、何も答えなかった。なんだこいつは。

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オルセコ闘技場。オーガらしい勇壮な建築だ。

そういえばゲキガンGの最終回はここがモデルになってるんだっけか。

 


さて、ヘビが出るかジャが出るか……

闘技場の真ん中まで来ると、ルーラ?しにては異常な速度でオッサンが現出した。

 


フム。三点ルーラ法は実用レベルだな。

フハハ……

 


なにやら満足そうに呟いたあと、アタシに振り返ったさて……まにえらよ。ワガハイは貴様がどうぐ使いとしてどこまで成長したかみたくなったのだ。

 


ちょっとだけな……

 


オッサンが「何か」を再現している様子をウンザリしながら見ていると、いくつもの影がこちらに向かって来るのが見えた。

 


空を飛び交う影は魔物たち。

 


それは魔界から来た地上制圧隊の偵察兵。

オッサンを連れ戻すつもりらしい。

 


バカめ。答えはノーだ。

 


笑いながら天才は誰にも束縛されないと高らかに宣言したオッサンに逆上した魔物が襲いかかって来た。

 


アタシたちも応戦する。

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コイツが無駄が多いって?

だから何さ。こんなに自由に空を飛んでいるのに。必要なものを盛り込んでいるのだ。

要は結果を出せばいい。

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アタシたちの力を、証明してやろうぜ。

アタシの気持ちに応じるように、ダイナモは駆動音を高鳴らせる。

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いくぜ!ゴッドバード!チェーンジ!!!

 


アタシの声に応じ、動力炉を限界まで回し異常なエネルギーが発生する。

 


限界を超えていけ!

 


高熱は炎となり、炎の鳥と化したダイナモワンは敵全てを焼き払った。

 

 

 

 


アストルティアのサルが、魔物を従えているとはな……まにえら、覚えたぞ

生き残った魔物は憎まれ口を叩いてそのまま脱兎のごとく飛び去った。

 


安全を確認したあと、オッサンは自分と魔界の因縁について語り出した。

 


魔界にいた頃おっさんは大魔貴族子飼いの地上制圧隊の研究開発室にいた。

力だけが取り柄の魔物の強化が続けられたが、オッサンはそんな研究に嫌気がさしていたんだと。

 

 

 

 


ギチッ!

 

 

 

 


突然、金属箔を噛み締めた時のような嫌な感じのする音がした。

それは、致命的な、何かが壊れる音。

 


マニ…エ………ガ……ト

 


突き動かされるように振り返る。

アタシの目に映ったのは、充分に放熱出来なかった火の鳥が、あえなく燃え尽きるところだった。

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ピシピシピシッ

 


あっあっ……待っ!

 


アタシの目の前に熱でひしゃげた鉄の塊がボトリと落ちた。

 

 

 

 


本来戦闘用に作られたものではなかったからな。

だが、お前は有用性を証明した。

 


淡々とそう呟いてオッサンは鉄塊を拾おうとする。

 


何を……

何言ってんだ、てめぇはぁ!

 


力任せに掴みかかるアタシをいなしてダイナモだったものを拾い上げ、オッサンは続ける。

 


何をしている。道具が道具として、その設計以上の仕事をして、壊れた。ワガハイは、それを言祝いでいるのだが

 


……ん?

……ほぅ、これは面白い。

 


オッサンはアタシを一瞥した後、帰るぞ、と言って闘技場を後にした。

 

 

 

体のどこに力を入れたかわからなくなっていたアタシはバランスを崩して、無様に地面に転がった。

 


限界を超えて道具を使えば壊れるのだ。

そんな当たり前のことに、アタシは気がつけなかった(ガ……ト……)

 


あいつは最後になんて言ったんだ?

何を責めたらいい?何を叫べばいい?

 

 

 

言葉にならない声が、闘技場のぽっかりと開いた空に吸い込まれていった。