冒険日誌 なみのまにえら

ドラクエ10 のプレイ日記を載せて行きます。冒険日誌は画像が消えてしまうので、こちらに残す形です。【このブログのドラクエの画像は原則スクエアエニックスさんに著作権がありますので、無断転載等しないようにお願い致します】(C)2017 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.(C)SUGIYAMA KOBO(P)SUGIYAMA KOBO

笑道 3幕 気持ち悪いって言われることには慣れたけど、たまにしねって言われるんだ。俺は言ってやりたいよ。こんな人生死んだも同然だってね。【旅芸人クエ】

正直、荒んでいた。
ラッカランのスロットコーナーで営業をする。もちろん誰もこちらを見ないし、笑いもしない。客はスロットに夢中だ。ぱふぱふショーの幕間をやらされるよりはマシか。アレはムラムラした客に罵倒を浴びせられる。それでも笑わせればホンモノなんだとししょーはいうが……しばらくは行きたく無いな。

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今日も散々な営業で疲れて宿に向かう。
裏路地を通ると浮かれたカジノ客の顔を見なくて済む。

バヒヒヒン……あなた……まにえらさんですね……旅芸人の……

暗がりから声をかけて来たのは薄気味悪い色白のウマヅラの男。

あなた……芸に迷っている……

金?緑?覗き込んだ玉虫色の瞳が怪しく揺らめく。それを見ていると何故かこの男は信用できる気がして、彼が勧めてくれた酒を口にした。

気分が虹色になり、なんでも出来るような気がして来た。虹色がグルグル螺旋状になり、気が遠くなって来た。そんなわたしの様子を見てウマヅラの男はニヤリと口の端を歪めた。

気がつくと男と二人ラッカランの島主の間に来ていた。

はいよ、どうだいもう一杯!で、イジリは?

は…?

せっかく絡むんだよ、ぶっこもうよなんでもいいから

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う…じゃ、じゃあ、そこの……(クラノッホを指差す)

バヒヒヒン…へただなーまにえらくん

え…?

へたっぴさ........!狂気の解放のさせ方がへた....。まにえらくんが本当に欲しい笑いは...こっち(ゴーレック)......これをオーバーフローの小さなメダルでチンして....ホッカホッカにしてさ......冷めたい罵倒で演(や)りたい......!だろ....?

フフ....だけど......それはあまりに体を張るから....こっちの........しょぼいクスリ笑いでごまかそうって言うんだ.....。
まにえらくん、ダメなんだよ......!
そういうのが実にダメ....!
せっかく大爆笑でスカッとしようって時に....その妥協は傷ましすぎる........!
そんなネタを見ても面白くないぞ......!
嘘じゃない。かえってストレスがたまる....!
笑えなかったゴーレックがチラついてさ..........全然スッキリしない....!
心の毒は残ったままだ....!
まにえらくん.....芸人ってやつはさ........小出しはダメなんだ........!
やる時はきっちりやった方がいい....!
それでこそ次の出番の励みになるってもんさ....!
うかい......?

わたしはおもむろに袋をひっくり返す。
ジャラジャラと大量のメダルが床に溢れる。

65,536枚あります。

世界樹の雫6,553個いただきましょうか

山積みにされてもまだまだ出てくる小さなメダル

ゴーレック氏はピクリとも動かない。
謎の沈黙が辺りに広がると……


ブシューーー

突然玉座から何かが噴射し城主ごと上昇。空の彼方へ。見えなくなった。

捜索隊が結成された。

クリフト!住宅街を探すのよ!
いぶし出せ!!

もちろんメダルは偽物である。

大爆笑。今まで見たことのないほどの。ラッカランの住人全てが笑っていた。

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ウッ!ウォォォォォォォォ!

大衆のどよめきが。笑い声で揺さぶられた大気が、わたしの心を震わせる。それに反応して思わず天に吠える、わたしは、やったのだ。

いいか!まにえら!今やるかっ!先に!やられるかなんだよ!笑いを取るということは!
他人を貶せ!馬鹿にしろ!嘲笑え!客は笑うぞ、馬鹿だからな!そうやって支配をするんだ。

もっと早くやれば良かった。こんなに手っ取り早く、笑いをとる。何者かを生贄に捧げれば。簡単じゃないか。なのにアイツ、回りくどいことをさせて。修行?バカを笑わせるのに?

わたしは気づいてしまった。神髄に。
もう修行なんて必要ない。だが、奴の名前は利用できる。

あのアホ、わたしに神髄に近づく資格があるとか言っていたな。まったく、くだらん。

子供騙しの試練を終えると変なピエロが降ってきた。今ならわたしと同格だなどと抜かしおる。
頭が弱すぎるピエロを軽くいなすと、聞いてもいない芸人補完計画みたいな話をし始めた。全く空気が読めていない。ダメだな、こいつ。

……芸で人なんか救えねえ。頭に叩き込んでおけ、まにえら。ポルファンは人ひとり救えねえクズ芸人だ。凡庸な捨て台詞であるが、まあ同意する。あのオヤジは時代遅れだ。

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報告を済ませると、あの道化の昔話を始めた。
芸が届かず、奴の母は死んだという。
まず医者に見せるべきだったんじゃないかな。
もし、それをしていたなら、息子が毎日必死に自分の芸を見せてくれていたならそれはそれで救われてたと思うが、今のわたしには関係ない。

ウマヅラの男に教わったこの新しい笑いで、わたしは成り上がってやる