酒場フレンズ(長くてダラダラ)
お、まにえらちゃんじゃないのー、最近武術にハマってるんだって?
この人、ザハノーさん
ジュレット行きつけの冒険者の酒場で、殆ど住んでるんじゃないかって勢いでよくいる。
やたら胡散臭い人なんだけど話が面白くてついつい聞いちゃうんです。
じゃあ今日はオーガのダチと南の離島に「ムクンダ(離島の古武術)」の修行に行った話するわ~
何年か前からさ、古武術ブームってのがあって、俺とオーガのダチで習ってたんだけど、本場の古武術味わってみよーぜみたいな話になってさ。二人で行ったんだよ。
いやさ、かなり離島で訛りとかもきつくてさ。ネイティブウェディの俺でもわかんない言葉とかあるし、とにかくヤバいわけ。
船着場あたりはまだ観光地みたいになってるけどもう都会と廃墟ぐっちゃぐちゃになったところでさ、一つ路地が違うとスラムみたいな。
で、そのスラムで道場どこかなーって探してるとなんかゴミとか落ちまくってるし、用水路臭いし、あかんぞこりゃみたいな感じになって来てさ。で見つけたんだけどもうその時点で俺だいぶ疲れててさ。
そもそも俺は武術エクササイズ勢で怖いもの見たさで来ただけだからもういいです。みたいな感じだったんだけど、まー、その日から修行とかするわけよ。
で、走り込みとかするんだけど、そのコースに行くときそのドブみたいな水路に渡してあるほっそい木の板をセンセーが俺とか乗せたドルボードで突っ込むのよ。その板の上を。もうさー、生きた心地しなくてまじヤバかったわー。
もうあっちいし、湿気も凄いし、で、俺はコース1.5周くらいでもう、あっぷあっぷだったんだけど、ダチはオーガじゃん、涼しい顔して走ってんの。そういうとこマジオーガじゃん。
したら周回してきたセンセーがさ、ドルボード乗って「アイツ、強い、お前、しょうがない。乗れ」っつって、でなんかスンマセーンみたいな感じで乗ってアイツ追い越したらなんかスゲー目で見てきてさ、後で「お前さー夜遊び行くときぜんっぜん疲れないのにこういうのはすぐ疲れちゃうのな」って。いやもう、しょーがねーだろって種族差。まぁその夜も遊びに行ったんだけどさ。
で、このおばちゃん、よくわかんないけどいっつも道場にいて料理作ってくれるんだけど、滞在期間で食った飯で一番美味かったのこのおばちゃんの料理だったからね。
で、その島なんか性別が20種類ぐらいあるんだって。なんかよくわかんねーけどめっちゃ俺のタイプの可愛い女の子が実は男の子でそいつは自分とおんなじタイプの子しか好きになれないみたいな。
いやもうこの時点で割とワケワカンネーけど、その子の好きな子は俺のダチにベタ惚れしちゃって、島にいる間中ずっとダチにくっついてて、それをみた俺のタイプの子はすっごいヤキモチ焼いてみたいな事があったんだよ人間交差点みたいな。
いやぁ、アレはアレで面白かったなぁ…
いやー、最近遊んでないなー。また遊びに行きたいなー
あ、まにえらちゃん、その揚げ芋、おごりだから食べなよー
なー、世の中広いんだぜー。若いんだからもっと旅しなよー。俺はいつでもここに居るからさ。
それはどうなんだ?と思ったけど、確かに世界は広い。
ヤーンの件が片付いたら、旅を再開する。それもいいななんて果実たっぷりの果物ジュースをかき回しながら考えていた。