冒険日誌 なみのまにえら

ドラクエ10 のプレイ日記を載せて行きます。冒険日誌は画像が消えてしまうので、こちらに残す形です。【このブログのドラクエの画像は原則スクエアエニックスさんに著作権がありますので、無断転載等しないようにお願い致します】(C)2017 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.(C)SUGIYAMA KOBO(P)SUGIYAMA KOBO

でんせつのゆうしゃのおはなし

そのスライム族の男は語った。

かつてあった伝説、光と闇と竜の物語を。

 


港町で出会ったスライム。スライムとは思えない豊かな歌声で、遠くアレフガルドという土地が、闇に包まれ閉ざされていく悲しい物語を歌う。
その歌声のあまりの心地よさに、わたしはいつのまにか眠ってしまったみたいだった。

見慣れぬ、酒場。最近通い詰めてるジュレットでも、故郷、ガタラのものでもない。何より、人間以外の種族がいなかった。f:id:naminomaniera:20180129174710j:image

 

店主と思しき女性に話しかける。彼女の名はルイーダ。この町に集う荒くれ者達を一気に引き受けているからか、意志の強い、それでいて愛嬌を感じさせる女性だった。
彼女の話だとわたしは伝説の勇者で、このルイーダの酒場で、仲間を集い、大魔王と戦う定めらしい。集まって来たのはなんか一人一人の存在感が、ヤバい3人組。なんだろう、人間というより神に近いんじゃないか?まぁ何であれ助けてくれるなら有難い。酒場の扉を開くと地元の神が降りて来て良い感じに敵地に潜入できた。

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瘴気、と呼ぶのも生易しい、重圧と血の臭い、肉の腐っていく臭いで頭がガンガンする。吐き気を我慢し進んだ先、宝物庫だろうか、厳重に封をされた箱がいくつか。封印は賢者すぎやんが解いてくれた。中にはありえないほど透明な、海より静かな青い光をたたえた石が入っていた。これが、賢者の石だと、わたしは、というより勇者が知っていた。この世界は勇者の記憶なのだろうか。

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ズタボロに裂かれ、地面に伏す筋骨隆々な男。遠く残して来た息子に、伝言を…と頼まれたが、何故だろう、肉親を亡くしたかのような哀しみがわたしを襲って来た。この男もまた勇者であったのだろう。やっぱり真の勇者は裸に覆面が一番似合う。自分だけの力で道を切り開くってこういう事なんだぞ、と声を大にして言いたい。

わたしはうすうす気づいていた。これは小さい頃聞いた伝説のお話。物語はこのまま……物語は、どうなったんだっけ。

最下層にたどり着くと皮膚が切れるような冷たい風が、松明の明かりをかき消してしまった。
闇の奥、ゆらりと明かりが揺れる。全身から寒気を感じ総毛立つ感覚。理解出来る事は一つ。わたしはこれから、殺される。暗き炎に照らされた大魔王の表情は、笑っているように見える。ゆったりと腕を広げ、わたし達・人は、闇に飲み込まれた。恐怖を感じる前に、魂が、凍った。

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悪夢に目覚めたわたしは、酒場で目を覚ました。見覚えのある青い艶めく髪は、ルイーダ、か。
ルイーダ!認識した瞬間に言い知れぬ恐怖が湧き上がって来た。わたしが死ぬ瞬間。体験した事はないはずの恐怖が体から抜けず、ガタガタと震えが治らないわたしに、彼女は暖かい飲み物を出してくれた。

(続きます)